技能実習生の一筋の光になりたい|沢井美穂さん

2021年2月19日(金)
Category:受講者の声
2019年10月から平日コースで受講スタートし、2020年3月に修了された後、現在は技能実習生の研修センターでご活躍されている沢井美穂さんにインタビューしました。(以下敬称略)
インタビュアー 三幸日本語教師養成カレッジ 奥木夏穂
目次
日本語教師を目指したきっかけは?
奥木:日本語教師になろうと思った理由はなんですか?
沢井:子供の頃に様々な海外の文学作品に触れた事・親戚が海外に移住していた事が異文化に興味を持ち憧れるきっかけでした。私が30代の頃に日本語教師の仕事が世に知られるようになりました。当時から興味はありましたが、その時は生計が成り立つ職業としては確立しておらず仕事の選択肢にはできませんでした。
2019年夏、娘婿がベトナムで仕事をするという話が具体的になり私に「同伴してほしい」という話が持ち上がりました。情勢を調べ実際にベトナムにも行き「ベトナムへの移住を考えるのなら自分も現地で働くことができないか。」と思いふと日本語教師の仕事がひらめきました。
夢で終わっている海外で働きたいという思いや教えることに情熱を傾けた国語や介護の教員の経験が後押しをし、ひらめきはすぐに目標となりました。それが日本語教師を目指したきっかけです。
三幸日本語教師養成カレッジを選んだ理由は?
奥木:養成講座がたくさんある中で、三幸日本語教師養成カレッジをお選びいただいた決め手は何ですか。
沢井:自宅から通いやすい立地条件にある何校かを検討していましたが、決め手は説明会で訪れた時に学舎として質の高さを感じたからです。
半年間毎日のように通う学校なので学ぼうという自らの意欲を維持するためにも周辺の環境を含め建物の持つ空間のゆとりや質感はとても大切だと思います。三幸日本語教師養成カレッジの建物はその条件を兼ね備えたものでした。
また、説明会でスタッフの「今後は介護現場で働くために来日する外国人が増えることが予想され、長年介護現場で培った知識と介護の資格にさらに日本語教師の資格を持てばより幅広い仕事につながる。」という助言が最終決定の決め手となりました。
受講前に不安だったことは?
奥木:受講前に、不安だったことは何かありますか。
沢井:資格を取るための勉強はその仕事をするために必要な知識・スキルをきちんと身に着けるためのものです。受講前に手元に届いた沢山の本を前に「これを完璧に覚えなくてはならないのか。」と記憶力の衰えを自覚している身としては不安になりました。
実際に学び出すとどの科目も興味深く、また久しぶりに「学ぶ」ということの喜びを感じることができました。内容的には短期間で自分のものとすることができるようなものではありません。「自分のできる範囲で取り組む」という心構えで粘り強く勉強することが大切だと思います。
学ぼうという姿勢と日本語を教えるということに情熱を持つことができるのならいつからでも目指すことができる資格、職業だとおもいます。
三幸日本語教師養成カレッジの魅力は?
奥木:実際に講座に通ってみて、どんなところが良かったですか?
沢井:講座を選ぶタイミングで構成メンバーとその人数が違いクラスによって多少印象は違うかもしれませんが、先生と距離が近く授業内容が濃いことが魅力です。授業は先生からの一方的な講義ではなく、自分の考えを発言し生徒間で意見のやりとりをする活気にあふれていました。そこにいる全員で授業を作り自から学ぶ場とすることで学習内容を深く定着させることができました。
また講師の先生はもちろんのこと事務局スタッフにも「社会における日本語教師の資格の質を高める」という信念が感じられ受講中に自分のあるべき姿を思い描くことができました。「ただ修了すればよい。」ということではなく、「受講生が現場に出た時に良い授業ができるように、活躍の場が広がるように。」と模擬授業の評価に加わってくださることもありスタッフの方々にも支えられる場面が沢山ありました。
半年間、一緒に学ぶ仲間はもちろん講師の先生方・事務局スタッフの存在が支えとなり修了までたどりつくことができたと思います。心から感謝しています。
奥木:講師も私たちスタッフも、受講された方々は今後同じ日本語業界で働く仲間だと思っていますので、皆さんが修了後に日本語教師として活躍されること心から願っています。
先生や授業の雰囲気はいかがでしたか?
沢井:三幸日本語教師養成カレッジの先生方はどなたも魅力的で、ご自身の専門分野に対する深い造詣とひたむきさを感じました。その先生方がそれぞれの分野の授業を担当してくださるので、授業内容は厚みにあるものでした。
話される経験談にご自身の専門分野への愛を感じ、そのお人柄に惹かれ自然とその科目が好きになれました。疑問に感じたことや悩んでいることがあれば、一緒に考えてくださる…教室は温かい雰囲気でした。
現在のお仕事は?
奥木:では、現在のお仕事を教えてください。
沢井:現在は、技能実習生の研修センターで授業を担当しています。技能実習制度は外国人が日本へ働きにくるもので、実際に現場で働く前に1ヶ月、研修センターで日本語を勉強します。
技能実習生は「国に残してきた家族を助けたい。」「日本で働いたお金で大学に進学したい。」と明確な目的を持っています。夢と希望を持って来日したこの人たちに何ができるだろうかと「日本を好きになってもらえるように、挫けることがあっても頑張ることができるように」と日本語を教えるだけでない役割をしたいと思っています。
三幸日本語教師養成カレッジの教育実習は、留学生だけではなく「生活者」という日本で生活する外国人に対してのカリキュラムもあります。技能実習生も日本で働く日本で生活をするということなので、生活者の授業で教えた経験が生かせています。
実際に技能実習生への日本語教育に携わり自分に向いていると感じます。彼らの人生の役に立てるよう、精一杯向き合っていきたいと思います。
奥木:実際に外国人学習者に教えるにあたり、授業の内容はどんなところが役に立ちましたか。
沢井:日本語を教える際に「何を知っていなくてはいけないのか」ということをいろいろな分野・視点で包括的に学んだことが役に立っています。
実技授業では、教案作りから授業を行うまでのプロセスを実践さながら繰り替えし指導され、授業に臨む基本姿勢を学ぶことができました。「学習者が習っていない言葉を使ってはいけない。」など「日本語で日本語を教える」というのは本当に知識とスキルが必要なことだと実感しました。
今、私が教えているのは技能実習生です。彼らは日本語を学んだ後様々な職種の技能を学ぶため日本全国に配属されます。読む・書く・聞く・話す、4技能をバランスよく習得することが理想ですが、短期間では限りがあります。
日本で生活をする要は「話す」です。語彙力はもちろんですが、正しく発音できるかどうかも信頼関係、評価にも影響するものだと考えているので授業の際には、学習者たちの正しい発音を意識して教えています。初めて習うことばかりで1番手間取った「音声」の授業で学んだことは実習生の母語にはない日本語の発音を舌の位置・口の開き方等を伝え理論的に発音の仕方を教える等本当に役に立っています。
これから日本語教師を目指す方へのメッセージ
奥木:これから日本語教師を目指す方にメッセージをお願いします。
沢井:日本語教師という職業の知名度はまだまだ低いですが、職業としての認知度、質を高めるためには、制度はもちろん、日本語教師一人ひとりのプライドや取り組む姿勢が大切だと思います。まだまだ駆け出しで、毎回行きの電車では「こんな自分が教師をしていていいのだろうか。」と自問自答します(笑)。
でも教える学習者が真剣であればあるほど、やる気や元気をもらい実力以上の授業が展開できます。8時間の授業を終えた時には「いい1日だった。」と思えるやりがいのある仕事です。私が基礎知識+もっと大切なあるべき教師像を学ぶことができたのは三幸日本語教師養成カレッジの講師の先生と事務局スタッフの熱い想いがあってこそ!と思います。
学ぶことの喜びを感じ目標に向かって仲間と切磋琢磨する…そんな豊かな時間を過ごすことのできる三幸日本語教師養成カレッジをぜひ学舎としてお選びください。
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