日本語の先生になろう。

学生が頷いてくれる瞬間が何より嬉しい|荻島香奈実さん

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2022年2月16日(水)

Category:受講者の声

2020年4月から平日コースで受講をスタート。現在は講座を修了され、日本語学校でご活躍されている荻島さんにインタビューしました。インタビュアー 三幸日本語教師養成カレッジ 奥木夏穂

 

日本語教師を目指したきっかけは?

大学生のころ、留学生の生活をサポートするボランティアをしているときに、日本語教師の職業があることを知りました。興味はあったのですが、もともと目指していた放送局に就職しました。

放送局に10年ほど勤めたころ、主人の転勤が決まり、東京に行くことに。そこで、大学時代より、「いつかは」と思っていた日本語教師を目指す良いタイミングかもしれないと考え、思い切って目指すことにしました。

 

三幸日本語教師養成カレッジの日本語教師養成講座を選んだ決め手は?

三幸日本語教師養成カレッジの説明会に行こうと思ったきっかけは、「日本語教師になるための学校ガイド」という雑誌でした。他の学校と比べて新しい学校だったので、カリキュラムが先進的でITや介護の授業があるということに魅力に感じました。

私はずっと東北に住んでいたので、東京で暮らすことにドキドキしていたのですが、参加した説明会でのスタッフの方がとてもやさしくて、丁寧に色々教えてくださり、安心して学ぶことができる環境だと思いました。

また、私は色々な働き方がしたいと思っていたので、介護や技能実習、年少者の授業があることも魅力に感じましたし、教育実習の時間が長いことも決め手になりました。知識をつける勉強は自分でもできますが、教育実習は実際に授業ができて、フィードバックをしてもらえる貴重な機会なので、充実している方が良いと思います。

 

三幸日本語教師養成カレッジの日本語教師養成講座の魅力は?

受講の決め手にもなった日本語を学ぶ対象者別の教え方の授業があることです。

技能実習生や介護施設の外国人スタッフへの日本語教育を漠然とやってみたい、とは思っていたのですが、授業を聞き、先生からリアルな現場の話を聞くことができて、すごくやりがいのあるお仕事だと感じました。

介護のお仕事をしたことはありませんでしたが、困っている人がいて、自分が役立てることがあるのならやってみたいと思いました。「日本語教師の資格と熱意があればやれる!」と先生に言っていただけたことで、前向きな気持ちに変わりました。

授業を受けたことで、人生の選択肢を一つ増やしていただきました。

 

実際に外国人学習者に教えるにあたり、役に立ったことは?

講座を受講してみて、教壇(みんなの前)に立つ機会が想像より多いことに驚きました。ホワイトボードに書くような「人に見せる字」を意識して書いたことがなかったので、大きさだけでなく、書くスピード、色の使い分け等、効果的に授業をするために気を付けなければいけないことを、本当の基礎から学ぶことができました。

また、実際に日本語を学ぶ外国人に教える経験ができたことで、「この部分に疑問を抱くのか!」という気づきがたくさんありました。また、講師からのフィードバックはもちろん、一緒に学ぶ受講生の行う授業を見ることでもたくさんの学びがありました。

それから、実技だけではなく、理論科目でもたくさん役立つことがあり、授業で配布された資料は大事に保管していて、今も授業準備の際に振り返っています。

例えば、中国語は「濁音と清音の区別をつける文化がない」と授業で学んだのですが、実際に現場で教えてみたら、本当にその通り。外国人が難しいと思える音を事前に把握できているので、気を付けて発音したり、学生の発音を直したりできています。

 

講座を受講してみて、先生や授業の雰囲気は?

日本語教師をしていてよかったというのが伝わってくる先生方ばかりでした。「この文とこの文は一緒ですか?」といった質問を投げかけてくださり、考えさせられる授業が多かったので、当たり前のように話していた日本語にも疑問を持てるようになりました。

特に田中先生の授業が本当に大好きでした。間がとても良く、教師として目標になる先生でした。「分かりやすい授業ってこういうことか」ということを気づかせてくださり、私も学生の疑問を分かりやすく、かみ砕いて話せるようになりたいと思いました。そして、日本語を教える楽しさが言葉・態度から伝えられるような先生になりたいと思っています。

クラスの雰囲気ですが、教育実習が始まるとより関わる機会がふえ、同じクラスで同じ目標に向かって取り組んでいくのが、新鮮で楽しかったです。友達というよりは同期みたいな感じで、励まし、励まされ、支えあいながらやっていきました。

今でもメールで近況報告をしていて、初めて日本語学校でオンライン授業するときには、学生役になってもらい、練習をしました。

 

現在のお仕事と今後の展望は?

現在は、教育実習先の日本語学校に就職し、留学生に授業をしています。月1回専任の先生が見学に来てくださって、アドバイスをくださったり、教案もいつでも見てくださるので、すごく素晴らしい環境でお仕事ができています。

今後の展望としては、「授業の質を高めていく」ことがまず目標です。まだまだ文法分析が甘かったり、質問を持ち帰ることも多いので、私の仕事は「日本語を教える先生」と自信を持って言えるくらいまで頑張ろうと思っています。

もっと先の話を言えば、日本語学校で学んだことを地域に役立てたりしていきたいと思っています。生活者、ビジネスマン、技能実習生といった対象別はもちろん、幅広い世代に教えられる先生になりたいです。

 

これから日本語教師を目指す方へメッセージ

「授業で何か学ぼうという姿勢をいつも持っていることが大事」と先生に言われたことがすごく頭に残っています。そこから「何か授業に生かしたい」「授業に役立てたい」「学生に近づきたい」と考えるようになりました。常に学び続けたいという姿勢がある人はとても先生に向いていると思います。

それから、日本語教師のことをあまり知らない頃、イメージとして留学経験や語学能力が必要と思っていましたが、全くそんなことはなく、「日本語が好き」「人と関わるのがちょっと好き」このくらいの気持ちがあれば、どんな人でもできる職業なのではないかと思いました。

そして、実際に授業をしてみて、これまでのどんな経験でも、全部生かされる仕事だということも分かりました。私は放送局で「取材→ロケの構成→編集」という作業をしていました。構成を考えるとき「どうわかりやすく伝えるか」を常に考えていたのですが、教案も「どうしたら分かりやすい授業になるか」ということを考えてつくるので、少し似ているなと感じています。まったく関係がないようにみえて、以前の仕事経験が役に立ったことは自分でも驚きました。

今はまだ授業準備の大変さと授業の緊張が自分の心の大半を占めていますが、学生が頷いてくれる瞬間の喜び、役に立てた!という気持ちでその大変さが吹き飛びます。

これから今まで出会えなかったような色々な人に出会えることにわくわくしています。日本語教師は本当に夢のある仕事です。ぜひ一緒に日本語教育業界を盛り上げましょう!

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