日本語の先生になろう。

日本語教師養成講座 とはどういう講座か

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2020年3月19日(木)

Category:コラム

外国人に日本語を教える職業である「日本語教師」。誰でも簡単に日本語教師になれるわけではなく、日本語についての正しい知識や教え方を学び、身につける必要があります。

今回は、「文化庁に届出が受理された420単位時間以上の日本語教師養成講座を修了し、かつ学士の学位を有する」という、日本語教師になるためのルートのうちの一つにフォーカスをあて、日本語教師養成講座の詳細についてお話します。

日本語教師養成講座で学ぶ

現在、日本語教師になるための国家試験や資格はありませんが、多くの日本語学校が採用条件の一つとして「日本語教師養成講座420時間修了者」をあげています。

ゼロから日本語教師になることを目指すのであれば、知識と実技をトータル的に学べる日本語教師養成講座420時間コースを受講するのがオススメです。

日本語教師養成講座で学ぶメリット

日本語教師を目指す人の多くが、日本語教師養成講座420時間コースで学ぶことを選択しています。実際に日本語教師養成講座420時間コースを受講した現役教師の意見では、理論と実技を効率よく学ぶことができるという声があります。

また、留学ビザが付与される外国人留学生の受け入れが可能な日本語教育機関(法務省告示校)への就職を視野に入れて420時間養成講座を選ぶ場合、文化庁に受理された講座を選ぶようにしましょう。

日本語教師養成講座420時間コースで学ぶ内容

日本語教師養成講座420時間コースで学ぶ内容は、学校や科目によって異なりますが、文化庁が必須の教育内容として提示している大きなくくりとして、「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語」の5分野があります。

それぞれ、どのようなことを学ぶのか、ご紹介します。

社会・文化・地域

日本や日本の地域社会が関係する国際社会の実情や、国際化に対する日本の国や地方自治体の政策、地域社会の人びとの意識等を考えるために、以下の3つの視点と基礎的な知識を学び、それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を身につけます。

  1. 国際関係論・文化論・比較文化論的な視点とそれらに関する基礎的知識
  2. 政治的・経済的・社会的・地政学的な視点とそれらに関する基礎的知識
  3. 宗教的・民族的・歴史的な視点とそれらに関する基礎的知識

科目例:
日本の社会と文化、異文化適応・調整、日本語教育史、言語政策、日本語及び日本語教育に関する試験など

言語と社会

言語教育・言語習得および言語使用と社会との関係を考えるために、以下の3つの視点と基礎的な知識を学び、それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を身につけます。

  1. ①言語教育・言語習得について、広く国際社会の動向からみた国や地域間の関係から考える視点とそれらに関する基礎的知識
  2. ②言語教育・言語習得について、それぞれの社会の政治的・経済的・文化的構造等との関係から考える視点とそれらに関する基礎的知
  3. ③個々人の言語使用を具体的な社会文化状況の中で考える視点とそれらに関する基礎的知識

科目例:
社会文化能力、言語政策、社会言語学・言語社会学、待遇・敬意表現、言語・非言語行動、多文化・多言語主義など

言語と心理

言語の学習や教育の場面で起こる現象や問題の理解・解決のために、以下の3つの視点と基礎的な知識を学び、それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を身につけます。

  1. ①学習の過程やスタイルあるいは個人、集団、社会等、多様な視点から捉えた言語の習得と発達に関する基礎的知識
  2. ②言語教育に必要な学習理論、言語理解、認知過程に関する心理学の基礎的知識
  3. 異文化理解、異文化接触、異文化コミュニケーションに関する基礎的知識

科目例:
談話理解、習得過程(第一言語・第二言語)、中間言語、ストラテジー(学習方略)、異文化受容・適応など

言語と教育

学習活動を支援するために、以下の3つの視点と基礎的な知識を学び、それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を身につけます。

  1. ①個々の学習者の特質に対するミクロな視点と、個々の学習を社会の中に位置付けるマクロな視点
  2. ②学習活動を客観的に分析し、全体および問題の所在を把握するための基礎的知識
  3. ③学習者のかかえる問題を解決するための教授・評価等に関する基礎的知識

科目例:
実践的知識・能力、コースデザイン(教育課程編成),カリキュラム編成、教授法、評価法、教育実技(実習)、異文化間教育・多文化教育、コミュニケーション教育、メディア/情報技術活用能力(リテラシー)など

言語一般

教育・学習の対象となる日本語および言語一般について以下の3つの知識・能力を学び、それらと日本語教育の実践とを関連づける能力を身につけます。

  1. ①現代日本語の音声・音韻、語彙、文法、意味、運用等に関する基礎的知識とそれらを客観的に分析する能力
  2. 一般言語学対照言語学など言語の構造に関する基礎的知識
  3. ③指導を滞りなく進めるため、話し言葉書き言葉両面において円滑なコミュニケーションを行うための知識・能力

科目例:
世界の諸言語、一般言語学・日本語学・対照言語学、日本語の構造、音声・音韻体系、形態・語彙体系、文法体系、意味体系、語用論的規範、文字と表記、受容・理解能力、言語運用能力、社会文化能力など

参照:(公財)日本国際教育支援協会HP「出題範囲」「各区分における測定内容」

講座によって、どこに重点を置いているか、どの授業がどの程度充実しているかなど、それぞれ特色があります。講座を選ぶ際は、カリキュラムを十分検討して選ぶことをオススメします。

日本語教師養成講座420時間コースの受講費用

日本語教師養成講座420時間コースを受講する場合、講座によって違いがありますが、平均的な受講費用は50万円~60万円ほどかかります。受講費用以外にも、入学金や教材費がかかることもあるので、予算には余裕を持っておくようにしましょう。

受講を希望している日本語教師養成講座のWEBサイトやパンフレットを確認して、具体的にどれほど費用がかかるのか、チェックしておくことをオススメします。

参考文献:日本語教師を教えよう!2020 P62~63

日本語教師養成講座420時間コースの受講期間

日本語教師養成講座420時間コースの受講期間は、通学制の場合、週5日・1日に3時間ほど学習する時間を設ければ、半年で修了できます。

平日に都合がつけられない方は、夜間のみ、もしくは土日に通えるコースで1年かけて修了することもできます。

日本語講師養成講座の「通学」と「通信」の違い

日本語教師になるために、知識や技術を身につけることができる日本語教師養成講座420時間コースですが、学習する方法としては「通学」と「通信」があります。

それぞれ、どのような特徴があり、メリット・デメリットは何なのか紹介していくので、参考にしてみてください。

日本語教師養成講座を「通学」で受講する

日本語教師養成講座420時間コースを「通学」して受講する場合、開講している教室に足を運ぶ必要があります。まずは「通学」で日本語教師養成講座420時間コースを学ぶメリット・デメリットについて紹介していきます。

日本語教師養成講座を「通学」で受講するメリット

「通学」して日本語教師養成講座420時間コースを学ぶ場合、直接講師から授業を受けることができます。わからないことがあれば、直接質問して疑問に思っていることをすぐに解決できるでしょう。

また、授業を目で見て学べるため、理解を深めやすい環境が整えられているのもメリットです。受講生同士の繋がりができることも「通学」のメリットで、就職や転校の時のコネクションになったりすることもあります。

日本語教師養成講座を「通学」で受講するデメリット

「通学」して日本語教師養成講座420時間コースを受講する場合、開講している教室に行かないといけません。そのため、「通学」する時間と手間がかかるのがデメリットです。

教室に足を運ぶ時間を確保できない方には、「通学」で学習するのは難しいでしょう。

ただ、休日や夜間に開講している日本語教師養成講座420時間コースもあるので、平日は忙しい方でも「通学」して学習することは可能です。

日本語教師養成講座を「通信」で受講する

自ら学習して添削などのアドバイスを受けることができる「通信」講座は、通学する時間がない方に人気の学習方法です。日本語教師養成講座420時間コースを、「通信」講座で学習する場合には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

日本語教師養成講座を「通信」で受講するメリット

通学制は、受講先に足を運ぶ必要があり、時間と手間がかかります。しかし、通信であれば、教材が届けば、場所を選ばず、いつでもどこでも受講可能です。

日本語教師養成講座を「通信」で受講するデメリット

「通信」講座で日本語教師としての知識を学ぶ方法は、場所と時間を問わず学習を進めることができます。

ただ、知識は身につけられますが、理論のみとなることが多く、実際に教壇に立って模擬授業を行うなど、実践経験を積む機会は得られにくいと考えられます。

「通信」講座で日本語教師養成講座420時間コースを学んだ後は、他の講座で「実践・実技コース」の申し込みを行い、実践経験を積んだ方がいいでしょう。

日本語教師養成講座420時間コースを受講する手段として、「通信」講座で学ぶこともできますが、理解を深めやすく、経験を身につける意味でも「通学」の方が学べることは多いでしょう。

十分に時間を確保できる環境にある方は、「通学」での受講をオススメします。

まとめ

ここまで、日本語教師の資格を得るためのルートの中で最もポピュラーな方法である、日本語教師養成講座420時間コースを受講して資格を取得することについてご紹介しました。

しかしながら、講座によってカリキュラムや方針に違いがあること考慮して、自分に合った講座を選択する必要があります。

また、日本語教師養成講座420時間コースを選択する際は、単に金額だけで考えないほうがいいでしょう。

金額だけで日本語教師養成講座420時間コースを選択してしまうと、日本語教師としての知識や経験が身につかず、他の講座も受けないといけなくなる可能性もあります。

ご自身の中で、自分が講座に求めていることは何か外せないポイントは何か、考えた上で説明会に参加しましょう。そして、可能であれば、授業見学をさせてもらい、学校の雰囲気を確認した上で、養成講座を選ぶことをオススメします。

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