学生に選ばれる日本語学校に|カナン国際教育学院 副校長 大田真也さん

2022年9月7日(水)
Category:コラム
三幸日本語教師養成カレッジ修了生の就職先、カナン国際学院 副校長 大田真也さんにインタビューしました。(以下敬称略)
インタビュー日 2022年6月15日
インタビュアー 三幸日本語教師養成カレッジ 福田
日本語学校の状況について
福田:御校の近況をお教えください。
大田:昨年度3月末時点では、学生数は約50名ほどでしたが、未入国だった学生が4月に入学でき、現在は約190名の学生が在籍しています(2022年6月時点)。7月、10月も入国を予定していて、今年度は400名の定員いっぱいになる予定です。
コロナ禍で2年ほど学生が入国できない状況が続きましたが、実は日本語教育業界は約10年に1度にこのような窮地に立たされます。SARSや東日本大震災もそうです。どの場合でも3年くらいで留学生数が回復してくるという流れがあるため、大変な時期を乗り越えた学校が次の10年を生き抜く学校になると考えています。「また向かい風が来た。どう乗り越えよう」と前向きにとらえ、アクティブに行動することが大切だと思っています。
日本語学校の学生について
福田:御校では、どのような方が、どんな想いで、日本語を勉強されていますか。
大田:学生の国籍は、漢字圏が60%、ベトナムが25%、その他15%という割合です。その他の国でいうと、ロシアやスリランカ、ミャンマー、アメリカ等々。色々な国の方がいらっしゃるので、日本文化にとどまらない異文化交流ができています。そこが今後、当校の特色の一つになれば、とも思っています。
また、当校で受け入れている留学生は、ほぼ全員が進学目的の学生です。学生が日本の大学や専門学校へ進むことができるよう、独自カリキュラムでの授業や手厚いサポートを行っています。
日本語教育業界への想い
福田:どのような想いで学校を運営されていますか。
大田:当校の理念・目標に基づき学校を運営しています。
例えば、学院目標の2つ目に「カナン国際教育学院の学生、全教職員、関わる全ての方に最適な環境を提供する」というものがあります。最適な環境というと、一番は人間関係です。そのためにコミュニケーションをとることを重視していますが、様々な価値観、考え方をお持ちの方がいらっしゃるので、人間関係は正解のない永遠のテーマですね。
それから、学校目標の3つ目に「東京都を代表する日本語学校になる」というものがあります。ここで言う「東京都を代表する」というのは「学生に選ばれる」学校という意味です。口コミでいい学生が来てくれるようになったら、教師の質も上がり、いい授業が展開できる、そしてまた口コミでいい学生がくる、というように良いスパイラルを生み出すことが理想です。そのために良い授業が展開できる、教師の質を上げることが必要です。
今後、日本語教師に求められること
福田:日本語教師の魅力、日本語教師に求められることは何だと思いますか。
大田:学習者の在留資格も様々、日本語を学ぶ場所も様々、ということを考えると自由な働き方ができるパイオニアの職業なのではないか、と考えています。そして、日本語を教えること以外でも学生募集や入国受け入れ、入国後の生活指導等、学生の長い人生に関わることができる職業です。
そして今後、求められるのは専門性と多様性だと思います。日本語教師は国家資格になるため、より専門性が求められますし、学生もより多くの国と地域から日本に来るようになるため多様性も求められていきます。
当校では、教育歴には重きを置いていません。教師としてのスキルアップは、学校に入ってからどうにかできますが、これまでの経験は私たちでは変えられませんし、日本語教師として働いていては得られない経験もあると思います。これまでどんなことをされてきたのかを重視しますので、会社員として働いていた方や歌手の方、珍しい特技をお持ちの方など、個性豊かな先生方が在籍されています。ぜひ今お持ちのご経験を存分に生かして日本語教師として活躍してほしいと思います。
当校の修了生について
福田:御校で働かれている三幸日本語教師養成カレッジの修了生の様子はいかがですか。
大田:今年の4月から5月にかけて、1時間半程度の勉強会を定期的に実施しましたが、回を重ねるごとに目に見えて上達していきました。先輩教師も含めて意見やアイデア交換をしたのですが、それをすぐに実践に取り入れることができます。非常勤同士でつながりを持つことができ、相談できる関係性になれたことも勉強会を実施してよかったと思っています。
また、先日授業アンケートを行いました。学生の平均満足度は90-95%なのですが、なんと御校の修了生の授業満足度は100%でした!想像以上の成長を見せていただき、7月からはクラス担任もお願いする予定です。
日本語教師を目指す方へメッセージ
福田:日本語教師を目指す方へ、メッセージをお願いします。
大田:日本語教育機関は環境的にまだまだ改善余地があると思っています。逆に言えば、これからどんどん良くなっていく伸びしろがあると思いますし、改善する意思や向上心のない学校は消えていくと思います。
現在日本には800以上の告示校があり、都内だけでも250校以上あると言われています。学校選びはインターネットの情報だけを鵜呑みせず、自分の五感で選ぶことをオススメします。以前、当校の求人にご応募された方から、「ずっと募集が掲載されていますね」と言われたことがありますが、本校が希望する人が現れるまで妥協せずにいたからです。このようなことは実際に足を運んで話を聞いてみないと分からないことですので、ぜひご自身で真実を見極めてください。
皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!
カナン国際教育学院 公式サイト:https://www.canaan.ac.jp/
Archive
- 2024年4月 (2)
- 2024年3月 (1)
- 2024年2月 (1)
- 2023年12月 (1)
- 2023年11月 (2)
- 2023年10月 (1)
- 2023年9月 (1)
- 2023年8月 (1)
- 2023年6月 (1)
- 2023年5月 (3)
- 2023年3月 (1)
- 2023年2月 (1)
- 2023年1月 (2)
- 2022年12月 (4)
- 2022年10月 (1)
- 2022年9月 (3)
- 2022年7月 (2)
- 2022年6月 (3)
- 2022年5月 (4)
- 2022年4月 (1)
- 2022年2月 (1)
- 2022年1月 (1)
- 2021年12月 (2)
- 2021年11月 (1)
- 2021年10月 (2)
- 2021年9月 (2)
- 2021年8月 (2)
- 2021年7月 (3)
- 2021年6月 (3)
- 2021年5月 (7)
- 2021年4月 (6)
- 2021年3月 (4)
- 2021年2月 (5)
- 2021年1月 (4)
- 2020年12月 (3)
- 2020年11月 (3)
- 2020年10月 (5)
- 2020年9月 (3)
- 2020年8月 (2)
- 2020年7月 (7)
- 2020年6月 (2)
- 2020年5月 (5)
- 2020年4月 (4)
- 2020年3月 (8)
- 2020年2月 (1)
- 2020年1月 (3)
- 2019年12月 (5)
- 2019年11月 (3)
- 2019年10月 (1)
- 2019年9月 (1)
- 2019年7月 (4)
- 2019年6月 (2)
- 2019年5月 (1)
- 2019年4月 (3)
- 2019年1月 (1)
- 2018年12月 (1)
- 2018年9月 (1)