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フリーランスの日本語教師として働く

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2020年5月12日(火)

Category:コラム

日本語教師は、日本語を母語としない外国人の学習者に日本語を教える職業です。
日本で生活する外国人の方々が増加する中で、日本語を教える日本語教師という職業が注目されてきています。今回は、日本語教師の働き方の中で、特にフリーランスとしての働き方に注目してご紹介したいと思います。

フリーランスでの働き方

 

フリーランスとは、仕事に応じて自由に契約して働くスタイルのことです。
日本語教師の場合は、日本語学校の非常勤講師を掛け持ちする働き方が多いと思いますが、その他の複数の仕事と掛け合わせて働くという働き方もあります。

日本語教師のフリーランスでの働き方は、働く方のライフスタイルに合わせてそれぞれのパターンがあります。
ここでは、日本語教師のフリーランスとしての働き方について、いくつかご紹介したいと思います。

 

フリーランスとは

 

最近では一般的な言葉として定着してきていますが、そもそもフリーランスとはどういうものなのでしょうか。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会では、「フリーランス」のことを次のように定義しています。

 

特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人

 

また、フリーランスの形態としては、企業や組織に属さず雇用関係を持たない独立系フリーランスと、企業や組織に雇用されながら、すきま時間を使って個人の名前で仕事をしている副業系フリーランスがあるとしています。

 

参考資料:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会プロフェッショナルな働き方・フリーランス白書 2018

 

日本語教師の場合は、複数の日本語学校や職場を掛け持ちして日本語を教える働き方のほか、企業内講師や自ら講座を開いて教える働き方もフリーランスと言えます。

 

日本語学校の非常勤講師として働く

 

日本語学校の教師として働く場合、勤務形態としては常勤講師非常勤講師の2つに分かれますが、非常勤講師は、受け持つ授業に合わせて勤務する形になるので、フリーランスに近いポジションになります。

非常勤講師の方は、受け持つ学校をスケジュールにあわせて掛け持ちしたり、オンラインレッスンや、自分で授業を開いたりするなど、働く場所を自由に広げることも可能です。

常勤講師と比較すると、勤務する日本語学校にもよりますが、学校業務の仕事を受け持つことがない分、担当の授業に集中して仕事をすることができます。

一方で、通常は授業の時間数や時給制で給与が支払われるため、受け持つ授業の数によって収入が変わることから、常勤講師に比べて収入が不安定になることがあります。
一般的な日本語学校では、常勤講師よりも非常勤講師の人数の割合の方が多くなっています。

日本語教師の求人を掲載しているサイトをいくつかご紹介します。

 

自分で教室を開く

 

フリーランスの働き方として“自分で教室を開く”という方法があります。
プライベートレッスンという呼ばれ方もされていますが、カフェやフリースペース、自宅やオフィスなど、任意の場所で独自で少人数の生徒を集めて行ったり、一対一で日本語を教えたりする方法です。

メリットとしては、独自で授業の進め方を決めることができるので、学習者のニーズに合わせてレッスンの内容を組み立てられることです。
レッスンで得られる収入は、学習者の方から受け取るレッスン代から、費用を差し引いた分になります。

一方で、自分で教室を開くためには、すべてを自分で準備しなければなりません。
その中で最も重要なことは、レッスンを受ける生徒を集めることです。
集め方はさまざまですが、知り合いの人から紹介やウェブサイトやSNSなどを使って生徒を募集するなど、地道な作業が必要になります。

また、自分で教室を開く場合は、これまで勤めてきた経験やコネクションも重要になってきますので、ある程度、実績を積み重ねてからフリーランスになる人が多いようです。

 

企業内で日本語教師をする

 

近年では民間の企業でも多くの外国人が働いていますが、自社に勤務する外国人に向けて日本語研修を行っている企業も多くなっています。そのような企業が、フリーランスの方に日本語の教育を依頼しているケースもあります。

募集人数は多くないものの、待遇面では日本語学校の非常勤よりも好条件の場合が多いようです。

一方で、企業内で日本語を教える場合、学習者の方々は、日本の企業で働くことを目的に日本語を勉強しに来ていますので、日本語教師の経験の以外にも、ビジネスパーソン向けの指導スキルも求められます。

 

出版・執筆活動など

 

日本語を教える仕事以外でも、書籍の出版やブログ、記事の作成というライターとして活動する働き方もあります。

日本語の教育に関する書籍は毎月たくさん出版されていて、それらの本を専門的に扱う書店もあるほどです。
そういった出版物の執筆や自分のこれまでの経験談とあわせて日本語教師の内容についてブログやSNSなどのWEB上で情報発信する、ライターとしての活動もフリーランスならではの仕事と言えます。

ブログやSNSに関しては、直接の収入につながりにくい仕事ですが、自分がフリーランスとして働く上で、生徒が集まるきかっけとなったり、仕事の幅が広がったりするメリットが考えられます。

 

 

フリーランスで働くメリット・デメリット

 

これまで紹介してきたフリーランスとしての働き方ですが、良い面、悪い面の両方の側面があります。

 

フリーランスで働くメリット

 

メリットしては、働く時間や働く場所が比較的自由に決められる、ということです。
請け負う仕事や学習者の都合にもよりますが、基本的には自分のライフスタイルに合わせて仕事をすることができる、というのがフリーランスとしての働き方のメリットです。

また、収入面では、仕事が増えればそれだけ収入が増えるということも、フリーランスの働き方の特徴といえます。
さらには、さまざまな仕事を請け負うことで、人とのつながりも広がっていきます。
信頼でつながった人脈からビジネスチャンスが広がっていく、ということもメリットの一つと言えます。

 

フリーランスで働くデメリット

 

一方で、フリーランスとしての働き方にはデメリットもあります。
企業に勤める場合は、給与が毎月収入として入ってきますが、フリーランスの場合は、
仕事がなければ収入がありません。仕事の量が少なければそれだけ収入も少なくなります。

体調を崩した場合でも、自分以外に代わりはいないのでダイレクトに影響します。
ですので、体調管理はとても重要になります。

その他にも、社会保険や確定申告などの手続きや、支払い請求に関する事務手続きについても、フリーランスの場合はすべて自分でしなければなりません。

 

 

フリーランス日本語教師の収入・給与・年収

 

フリーランスの日本語教師の収入についても少し触れたいと思います。

 

常勤講師・非常勤講師の収入

 

まずは、比較をする意味で、日本語学校の講師の収入についてお話ししたいと思います。
参考データになりますが、“日本語を教えよう!2020”という本の中で、現役日本語教師に行ったアンケートによると、日本語教師の常勤講師の収入は、年収300~400万円という回答が最も多くなっています。
同じく“日本語を教えよう!2020”が日本語学校に実施したアンケートによると、非常勤講師の待遇は、1授業あたり1,800~2,000円が最も多くなっています。
一方で、請け負う授業のレベルやその方のキャリアによって1授業あたりの報酬が3,000円を超えている、という回答もあります。

日本語教師の人材不足が続いていることで、給与は近年増加傾向にあります。

 

参考書籍:イカロス出版 日本語を教えよう!2020

 

フリーランス日本語教師の収入

 

フリーランスの日本語教師の収入は、非常勤講師の収入と同様に、受け持つ授業の数によって変わってきます。
自分で個人レッスンやグループレッスンを開くことができれば、収入をさらに増やすことも可能です。

 

 

フリーランスになるためには

 

日本語教師としてフリーランスで働く場合、絶対に必要な資格や経歴はありませんが、日本語教師のスキルや経験がない方が、簡単にできる働き方ではありません。
ある程度のキャリアを積んでいく必要があります。

 

キャリアの積み方

 

フリーランスになる方のキャリアの積み方として、まずは、日本語を教える基礎知識を身に付けることが必要です。
一般的には、日本語教師養成講座420時間コースを修了することで、日本語を教える基本的なスキルを身につけることができます。
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次のステップとしては、日本語学校で非常勤講師として日本語を教える経験を積むことをおススメします。
初めて日本語を教える方には研修を行ってくれる学校も多くありますし、同僚や先輩方から授業の進め方などのアドバイスをもらうこともできます。

非常勤講師で経験を積みながら、日本語学校を掛け持ちして受け持つ授業の時間を増やしたり、空いた時間でオンラインの日本語講座の教師を受け持ったりして、日本語を教える機会を継続的に増やしていけば、教え方や、学習者の方が求めるニーズなども自身のキャリアとして身についてくると思います。

いろいろな職場での日本語教師の経験を通じて人脈を広げながら、チャンスがあれば自分で教室を開くことにチャレンジしてみる、というのもステップアップの方法の一つとして考えられると思います。

 

フリーランスに必要な手続き

 

キャリアの積み方とは別に、フリーランスになるためには必要な手続きがあります。
主な手続きは次の通りです。

 

健康保険 国民年金の手続き

 

これまでの勤め先を退職してフリーランスになる場合は、健康保険や年金の切り替えの手続きが必要です。

健康保険であれば、国民健康保険に切り替えるか、今までの健康保険を一定期間継続できる任意継続のいずれかの手続きを行います。
また、国民年金の加入手続きも市区町村の窓口で手続きが必要です。

それぞれ手続きの期限がありますので、退職後はできるだけ早く行いましょう。

 

参考リンク

 

開業届・確定申告

 

保険や年金のほかに、税務署に届け出を行う手続きがあります。
個人事業主として仕事を行う場合は、管轄の税務署に開業届を提出します。
また、開業届と合わせて確定申告の届出も必要です。

 

参考リンク
国税庁「No.2090 新たに事業を始めたときの届出など」

 

 

まとめ

 

日本語教師での働き方はさまざまですが、フリーランスでの働き方には、働く時間や働く場所が比較的自由に決められる、というメリットがある一方で、収入面で不安定なことや、一定のキャリアを積む必要があることがデメリットとしてあげられます。

将来、フリーランスとして独立を目指したい方は、まずは、日本語教師養成講座で必要な知識と資格を身につけたうえで、日本語学校で日本語教師としてのキャリアを積み、次のステップアップとして、フリーランスとして複数の仕事にチャレンジしていく、というキャリアプランを描くことがベターな選択と言えるでしょう。

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